腟拡大鏡診による子宮頚部上皮内癌の診断学的検討
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概要
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教室癌クリニークで細胞診, 腟拡大鏡診並びに狙い組織診の綜合診で発見した, 子宮頚部上皮内癌172例につき, 腟拡大鏡診の診断的価値を検討した. 子宮頚部上皮内癌は腟拡大鏡診で98.8%に異常所見を検出し, その主要所見である白斑, 基底, 分野のtrias所見を96.5%認めた. さらに細胞診と併用すれば上皮内癌は100%検出することができる. 腟拡大鏡診にみられる異常所見の占める頚管に対する位置から, 次のごとくこれをI型からIV型に分類した. I型 : ectocervixに限局する. II型 : ectocervixと頚管下部を占居する. III型ectocervixとendocervixを深く占居する. IV型endocervixに限局する. 以上のコルポ型を分類することにより, 臨床上, 上皮内癌の拡がりと占居の部位をあらかじめ診断することができ, 治療方針の適正な選択に役立てることができる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1971-02-01