ヒトの生体内子宮活動の機械計測と電気計測およびその臨床的意義
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概要
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ヒトの生体内子宮活動について, 機械計測と電気計測とを行ない, 現時点で, それぞれの計測法間の比較検討と, それに基づく臨床成績の考察から, 計測法と臨床的意義の相互関係を求めた. 非妊婦人では, 子宮内圧と子宮筋電との変動を, 月経期, 排卵前期(卵胞期), 排卵後期(黄体期)の3期にわけて記録し比較検討した. その結果, 月経期から排卵前期にかけては明らかな子宮活動を, 子宮内圧の変動の記録から観察することができた. しかし, 同時に実施した子宮筋電図法では, その時の検出条件による変化が大きく, 明らかな差異は認め難かった. 両者の比較では, 子宮内圧測定の方が子宮全体の活動状態を比較的容易に検出することができ, 月経周期による変動やそのほかの状態を明らかに区別できた. 次に, 妊娠・分娩婦人の陣痛の機械計測と電気計測では, 機械計測は外測法を主体にして検討したが, 機械式陣痛記録器を用いても電気式陣痛記録器を用いても, 変換機構が同一であり, 同一条件下の検出では, 陣痛波形は安定して, 妊娠および分娩の経過中の陣痛波形をいくつかの pattern に分類することができ, 臨床的意義を充実させた. 分娩陣痛の電気計測では, 子宮電図の検出を目的として臨床的に比較的容易に実施しうる検出記録器をみいだし, 分娩陣痛の子宮電図を記録させたが, 記録時の電磁遮蔽の状況や外来雑音除去などの検出測定条件が厳密であり, 必らずしも, 機械計測よりも容易ではなかった. しかし, 厳密な測定下においては, 陣痛発作にともなう電気現象とみなされる記録, 子宮電図を, 検出し観察することができた. また, 陣痛にともなう腹壁の Impedance の検出を行なったが, その臨床的意義の解明は興味深いと考えられる. 分娩時においても, 機械計測と電気計測を比較すれば, 機械計測の方が一般的であり, 現時点では臨床的意義が大きい.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1970-01-01
著者
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