妊産婦・臍動静脈ならびに新生児における Plasma Androgen の測定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アンドロゲンは性分化と密装な関係を有するホルモンと考えられているが, 胎児・新生児のアンドロゲン・レベルに性差があるか否かについては現在全く知られていない.同様に, 妊娠母体についてもアンドロゲンの知見は現在極めて少ない.そこで, 著者はこれらの問題を解明するため妊娠母体, 臍動静脈血および新生児において plasma androstenedione と testosterone を double isotope derivative 法と言う新しい鋭敏な方法により測定し, 以下のような結果を得た.まず, 母体においては妊娠時, 特に分娩時には2つのアンドロゲンは共に増加するが, testosterone の増加の方が androstenedione のそれよりも相対的に優位である.満期産児の臍静脈血の値はいずれのアンドロゲンについても母体の約1/3であり, また臍動静脈間では著明な差がない.男児と女児の比較では, 臍動静脈血においては adrostenedione が男児で僅かな高値を示すほか testosterone には性差がないが, これに対して出生後の性差は極めて著しく, 男児では生後数日以内に, 2つのアンドロゲンの急激な増加があるのに反し, 女児では逆に急速在減少を示す.この所見は, 胎生期の性管分化は血流を介しない睾丸アンドロゲンの直接作用により, また出生後に視床下部の機能的性分化が生ずるとすれば, それは流血中のアンドロゲンにより, それぞれ支配される可能性を示すものと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
著者
関連論文
- P1-152 Egg plant抽出物による尖圭コンジローマの治療成績(Group18 感染症1,一般演題,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 間脳・下垂体・性腺系の動的考察
- 151.子宮頸癌患者のレノグラムについて
- 妊産婦・臍動静脈ならびに新生児における Plasma Androgen の測定