ProlactinのImmunoassayに関する基礎的研究
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概要
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Prolactin (PL)のimmunoassayに関する基礎実験として, ウシ及びヒトPLの免疫血清を作製し, その性状をしらべた. ウシPL免疫血清はウシPLの生物学的活性を抑制する. この免疫血清はウシPLのほかヒツジPL, ウシgrowth hormone (GH), ウシ血清とも沈降反応を示すが, ヒトPLとは反応しなかつた. ウシ血清で吸収後, 更にウシGHで適度に吸収すると, ウシ及びヒツジPLにだけ反応する抗PL血清が得られた. 寒天Gel内沈降反応ではウシ血清で吸収後の抗血清を用いると, ウシPLに強くウシGHに弱い共通な2本の沈降帯と, GHにだけみられる2本の沈降帯が認められた. このことはウシPL標品中にGHが, 又ウシGH標品中に微量のPLが混在していることを示すものと考えられる. ウシPLは, ウシPL感作血球と抗ウシPL血清との凝集反応を, 約2μg/mlまで阻止した. ヒトPL免疫血清はヒトPLの生物学的活性を抑制する. この免疫血清は, ヒトPLのほか, ヒトGH, luteinizing hormone (LH), follicle stimulating hormone (FSH)粗標品及びヒト血清と沈降反応を示したが, ウシPLとは反応しなかつた. ヒト男子血清で吸収後, ヒトFSHで吸収すると, ヒトPLに強く, ヒトGH, LH粗標品と弱く反応する抗血清が得られたが, ヒトPLとだけ反応を示す抗ヒトPL血清を得ることは困難であつた. 寒天Gel内沈降反応では, ヒト血清で吸収後の抗血清を用いると, ヒトPLに強く, ヒトGH, LH粗標品に弱く, ヒトFSH粗標品には極く弱い共通な1本の沈降帯を認めた. ヒトPLはヒトPL感作血球と, ヒトPL抗血清との凝集反応を約10μg/mlまで阻止した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1966-03-01
著者
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