子宮内膜癌における核DNA量と細胞形態の相関に関する研究 : 特にFlowCytometryを用いたCellSortingによる分析

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子宮内膜病変に対して、顕微螢光測光法およびFlowCytometry(FCM)を用いて核DNA量と細胞形態の比較検討を行い、以下の結論を得た。(1)FCMと螢光測光法では、ほぼ類似したDNAヒストグラムが得られた。(2)核DNAヒストグラムでは、正常子宮内膜は2Cにピークを有する単峰性のヒストグラムを呈し、増殖症では2Cピークから4Cへ尾を引くパターンを示した。また、内膜癌については、高分化型では3Cレベルの細胞が多く、未分化型では4C以上のpolyploidyが多かつた。(3)核面積と核DNA量の比較では、2C、3Cレベルの細胞はよく相関した.しかし、4C以上のpolyploidyでは、クロマチソの性状により相関しない細胞がかなり認められた。(4)子宮内膜癌における核DNA量と細胞形態の比較では、2Cレベルの細胞は核面積33.2μm^2で核が小さくまるく、悪性細胞と認識することは難しく、3Cレベノレの細胞では、核面積55.8μm^2で核は楕円形にもなり、核小体も出現した.また、polyploidyでは、核面積78.1μm^2で大きく、核縁不整、核小体著明、クロマチンは粗であるなど悪性としての形態学的特徴をよくそなえており、悪性と診断することは容易であつた。(5)高分化型内膜癌では、悪性としての形態学的所見に乏しい3Cレベルの細胞が多いことが診断を困難にしている。(6)内膜癌診断率の向上のためには4C以上のpolyploidyに相当する細胞の検出のみならず、3Cレベルの癌細胞を正確に診断するため、2倍に満たない核径の差も細胞診断基準に付加することが必要である。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1986-02-01

子宮内膜癌における核DNA量と細胞形態の相関に関する研究 : 特にFlowCytometryを用いたCellSortingによる分析

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