子宮内膜ステロイドホルモンレセプター : 月経周期変動と着床周辺期病態
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概要
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正常月経周期を有する女性の子宮内膜でのエストロゲンレセプター(ER),プロゲストーゲンレセプター(PR),アンドロゲンレセプター(AR)の徴量測定法を開発し,これらを細胞レベルで測定した.このような測定法はこれまで,全くなされたことがなかった.内膜ER,PR濃度は増殖期初期より分泌期初期にむかって,徐々に増加し,分泌期中期では,最大でかつ一定濃度を保ち,その後期へと減少した.特に,分泌期中期の核内PR濃度は最大に達した.このことから,分泌期中期では内膜ER,PRは最大に達し,着床に良き条件とたっていると考えられた.一方,内膜AR濃度は月経周期での変動は少なく,濃度もきわめて低値であった.このことから,アンダロゲンは内膜生理にあまり関与していないと考えられた.組織学的に黄体機能不全型を示した内膜や子宮発育不全内膜では,血中ホルモン値は正常であるが,内膜ER,PR濃度は低下していた.このことから,これら内膜では,ER,PR合成機構に,障害があると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-01-01
著者
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