妊娠末期における子宮頚部の光電容積脈波に関する研究 : 特に子宮頚部成熟化との関係
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概要
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妊娠子宮頚部の循環動態を知るために,頚管脈波を記録し,その特性と子宮頚部の成熟化との関連を検討した.著者は子宮頚部の表層のみではたく,子宮頚管壁全層の血行動態を把握するために,透過式の脈波トランスジューサを開発した。しかも,これは指尖容積脈波と同じ校正基準を用いているので,脈波の諸成分を定量的に解析し計測することができた。1.頚管脈波は非妊婦では単相波に近い波形を示し,妊娠の進行にともなって,波高値は小さくなり,脈波の下降脚に幾つかの細動を認めた.これらは産褥早期に非妊婦の波形にもどった。2.妊娠末期の頚管脈波をその波形の特徴によりA型,B型,C型,D型,の4つに分類できた。3.成熟した子宮頚部には,C型とD型の頚管脈波がみられ,脈波の下降脚に細動が出現することと,波高値が小さくたってプラトー化することが認められ,これらが,子宮頚部の成熟度を示す頚管脈波の特徴的所見であることが示唆された。4.妊娠によって変化する頚管脈波の波形と,妊娠子宮頚部の組織学的特徴との関連を考察した。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-01-01
著者
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