ETIOLOGY OF EPH-GESTOSIS FROM THE VIEWPOINT OF DYNAMICS OF VASOACTIVE PROSTANOID, LIPID PEROXIDES AND VITAMIN E
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概要
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妊娠中毒症の病態の解明のため,脂質代謝異常の面より,血清過酸化脂質,V-E,TXB_2 6-Keto-PGF_<1α>の同一試料にて同時測定を行い次の成績を得た.1.血清過酸化脂質値は,中毒症重症例と正常妊婦10ヵ月婦人との間に有意の上昇を認めた(p<0.05%).2.血清V-E値は,中毒症重症例において妊娠後期に比し低下する傾向を示した.3.血清TXB_2値は中毒症重症例と正常妊婦10ヵ月例との間に有意の上昇を示した(p<0.02).4.血清6-Keto-PGF_<1α>値は,中毒症重症例と正常10ヵ月例との間に有意の低下を示した(p<0.01).5.Gestosis Index(G.I.)との関連性.a.過酸化脂質値は,G.I.5以上の例にて上昇した.b.V-E値は,G.I.4以上で減少する傾向が認められた.c.TXB_2値は,G.I.3とG.I,4の間に有意差を認めた(p<0.01).d.6-Keto-PGF_<1α>の値は,G.I.4以上の症例にて,減少する傾向が認められた.以上の成績から,妊娠中毒症の成因および病態には血管作働性prostanoid,過酸化脂質,およびV-Eを含めた脂質代謝異常が,その一部を占めることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-05-01