妊婦血清中のインターフェロン様活性について
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概要
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インターフェロン(IFN)はin vitroでは免疫特異的刺激によりリンパ球から産生され,in vivoにおいても種々の免疫刺激により産生される.妊婦血清中にIFN又はIFN様物質が妊婦経過に伴って上昇している事を見出した.すなわち 1)血清中のIFN様活性は妊婦97名中その45%に認められ,これは妊娠経過に伴ない,増強した.2)この活性は,トリプシン,熱, pHなどの処理にて失活し,種特異性を有していた.3)臍帯血リンパ球,及び母体血リンパ球は,PHA刺激により,共にIFN産生能が認められた.母体血リンパ球が臍帯血リンパ球のほぼ2倍量のIFNを産生した.4)臍帯血リンパ球と母体血リンパ球の混合培養MLRにより,約半数の例にIFN産生が認められた.IFN産生は,妊婦の免疫状態に起因するものと思われ,胎児の保持の為の免疫調節的作用があるものと考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-05-01
著者
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