子宮頚部微細血管構築の研究 : 特に形成過程及びpattern分析によるmosaic所見のGradingについて
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概要
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colposcopy腔拡大鏡診における代表的異常所見であるmosaic patternの形成過程は,現在なお明らかにされていない.そこでcolposcopyによるin vivoの血管像と,鋳型走査電子顕微鏡法によって得られたin vitroの血管像を比較することによってmosaicの立体的移成過程を明らかにする目的で本研究をおこない,以下の結果を得た.1)化生上皮でみられるmosaicは,上皮下毛細血管網の一部と考えられる一本の血管が水平のloopを形成しているに過ぎない.2)腫瘍性病変で出現するmosaicは,上皮下毛細血管網より上皮側に突出したbasket構造を形成している.3)basket構造は軽度異型上皮において上皮下毛細血管網から突出したhairpin様血管が横に連絡することによって形成される.4)basket構造は高度異型上皮〜上皮内癌において,その堅固な構造が完成される.5)basket構造は,病変の進行と共に深く,大きくなり,その側壁表層部の血管は増生,癒合,怒張が著明となっていく.6)basket構造の破壊は,初期浸潤癌に至って初めて,その底部及び側壁表層部に出現する.以上,mosaicの秒成過程と病変に伴う変化を立体的に明らかにし,mosaicのpattern分析による組織学的病変進行度の推定を可能にした.
- 社団法人 日本産科婦人科学会の論文
- 1983-04-01
著者
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