排卵における線溶系の意義
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概要
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排卵における線溶系の意義を明らかにする為,幼若雌ラットおよび幼若雌ブタにPMS,hCGを投与して過排卵をおこし,排卵時における線溶系の変化を検討し,以下の成績を得た. 1)抗線溶剤であるtranexamic acidおよびaprotininの投与でラット過排卵が抑制された. 2)ラット卵巣homogenate上清中のplasminogenは,hCG投与後増加し,排卵直前に最高値に達したのち,排卵にともなって急激に減少した.plasminogen activatorも排卵に一致して高値を示したが,plasmin活性は排卵前後で著明な変化を示さなかった. 3)Prostaglandin(PG)生合成阻害剤であるindomethacinを投与して過排卵を抑制した場合には,ラット卵巣homogenate上清中のplasminogenの増加は認められず,plasminogen activatorの増加も軽度にとどまった. 4)ブタ卵胞壁および卵胞液においては,排卵に近づくにつれて,plasminogenが減少し,plasmin活性が増加した. 5)ラット顆粒膜細胞培養実験で,顆粒膜細胞はplasminogen activatorを産生することが示されたが,hCG,indomethacin,LH,FSH,PGを添加しても影響をうけなかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-02-01
著者
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