IN VITRO RELEASE OF LUTEINIZING HORMONE RELEASING HORMONE (LH-RH) FROM THE HYPOTHALAMUS IN PREGNANT RATS
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
妊娠ラットにおけるLH分泌変動の原因を検索する目的で,視床下部組織のsuperfusion systemを用いて視床下部からのLH-RH放出能を追究し,血中LH値との関係につき検討を加えた.S-D系ラットを妊娠10,15,18または21日目に断頭屠殺し,直ちに視床下部を摘出した.視床下部は2分割後superfusion chamberに入れ,Krebs-Ringer bicarbonate bufferにて37℃,95%O_2+5%CO_2の条件下で環流した.環流液を経時的に採取してそのLH-RH濃度をRIAにて測定し,同時に血清中LH濃度をも測定した.妊娠各日の血中LH値(ng/m1)は10日目:15.1±1.5, 15日目:5.88±1.0, 18日目:8.27±1.57, 21日目:13.7±2.0で,10日目及び21目目の血中LH値は15日目に比べ有意の高値を示した.superfusion systemによる視床下部のLH-RH放出量(pg/ml/min/MBH)は10日目:5.41±1.04,15日目:3.82±0.33,18日目:6.92±1.77,21日目:10.9±2.51であり,21日目のLH-RH放出量は他の各値に比して明らかな高値を示した.しかし妊娠10日目と15日目の値には有意の差を認めなかつた.これらの結果から,妊娠21日目のLH分泌の増加はLH-RH放出の増加に依存していること,一方妊娠10-15日目におけるLH分泌能の変化には,LH-RH以外の因子が介在している可能性が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-12-01