正常月経周期婦人におけるbioreactiveおよびimmunoreactive luteinizing hormone(hLH)の脈波状分泌に関する研究
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概要
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ヒト正常月経周期の各時期において10時間連続採血を行たい,血漿中のbioreactiveおよびimmunoreactive human luteinizing hormone(hLH)の測定をそれぞれin vitro bioassay法およびimproved radioimmunoassay(RIA)法を用いて行なった.卵胞期および黄体期におけるimmunoreactive hLHのbasal levelはそれぞれ17.99(14.49:22.34)mIU/ml〔Mean(95% confidence limits)〕,10.79(6.62:17.58)mIU/mlであり従来の報告と類似していたが,bioreactive hLHの場合はそれぞれ21.68(15.21:30.90)mIU/ml,6.22(4.94:7.83)mIU/mlであり,両者の間にかなりの差が認められた.hLHのbasal levelのbiological/immunological activity ratio(B/I ratio)は,卵胞期では1.21(1.03:1.41)と高B/I ratioを示したのに対し黄体期では0.58(0.44:0.76)と低B/I ratioを示した.この黄体期におけるB/I ratioの逆転現象は,低濃度域におけるimmunoreactive hLHの値がoverestimationを示している事に帰因しているものと思われ,improved RIA法にも尚問題点の残されている拳が判明した.Immunoreactive hLHのpulsatile dischargeについては,従来の報告にみられる様に卵胞期においてはoscillation or high frequency,low amplitude,黄体期ではlow frequency,high amplitudeを示し,bioreactive hLHも同様に推移した.排卵期におけるbioreactive hLHの半減期は122.9(98.2:127.6)分であるのに対し,immunoreactive hLHのそれは83.7(64.3:103.1)分であり前者に比べ有意に短縮していた.また卵胞期における高B/I ratioが排卵期には低B/I ratioに移行している事から,排卵期においてはhLHのsubpopulationに変化を生じており,no or little bioreactive,immunoreactive hLHの存在が想定される.一方卵胞期におけるbioreactive hLHの半減期は103.6(94.7:112.5)分であるのに対し黄体期のそれは87.2(72.5:101.9)分であり前者に比べ有意に短縮していた.この事から月経周期の各時期においてhLHのsubpopulationにproportional changeを生じている事が示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1982-09-01
著者
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