ヒト摘出, 妊娠子宮に対する Prostaglandin F_<2α> ならびに Oxytocin の効力比について
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概要
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Oxytocics と考えられる Prostaglandin F_<2a> (PGF_<2α>), Oxytocin のヒト摘出子宮ならびに妊娠, 分娩におよぼす効果を比較検討した. その結果, つぎのようなことが知られた. 1. 薬物の効力比較は原則として同一患者による matching bioassay 方式により行つた. 2. 用量については従来の Oxytocin の国際単位 (現在, 純粋に精製されたものは1mg当り450-500IU) からPGと同様, 重量比さらにモル濃度比にて両者の効力を比較した. 3. 摘出ヒト子宮筋に対する収縮効果は作用濃度曲線上, PGF_<2α> が Oxytocin より強かつた. しかし帝切時子宮片, Tyrode 液使用の場合は Oxytocin の方が PGF_<2α>より強い収縮がみられた. 4. 妊娠中期の陣痛誘発に対し外測陣痛曲線上PGF_<2α>では Oxytocin ほどの反応を示さなかつた. 5. 分娩誘発の効果は内, 外測陣痛曲線により調べた. PGF_<2α>の作用はトコグラム上, 振巾, 頻度, トーヌス何れも単位時間, 用量あたりよりみて Oxytocin の効果に及ばなかつた. 6. 分娩第1期陣痛は Planimeter 値にて計測した. Oxytocin は著明に増強効果を示すが, PGF_<2α> では増強作用が明らかでなく, ときに自然陣痛を減弱する傾向がみられた. 以上のことより摘出子宮片については PGF_<2α> が Oxytocin より強く, 生体子宮 (妊娠中期, 末期, 分娩) においては重量比, モル濃度比, トコグラム上などより PGF_<2α> が Oxytocin よりも potency が高いことを証明することができなかつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-11-01
著者
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