ビタミンEと内分泌 : ウサギの尿中17-KS値の変動について
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概要
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最近におけるビタミンとホルモンの間の相関関係についての新しい知見は, この2つのグループ間の関連性をしだいに明らかにしているが, 未だなお不明な点がすくなくない. ビタミンEについてHeisen, Suardi らは内分泌機能を昂進せしめる作風があると報告しているが, 昂進作用を認めないという研究者もあり, その見解にはまだ一致がみられていない. また臨床面での治療における至適投与量についてもはっきりしていない. 著者はV.Eの内分泌臓器におよぼす影響を観察するにあたり, メスウサギを使用し, まずその一指標としてV.E投与時における尿中総17-KS値を測定した. 実験方法; 体重2kg以上の正常成熟メスウサギ45羽を使用し, 1群5羽の9群にわけ, 可及的一定環境の下に飼育し, V.Eを30日間筋注し, その24時間尿について, 総17-KS排出値を週3回隔日に測定した. 尿中総17-KS排出値の測定はDrekter神戸川氏変法を用い, ウサギの尿中不純物を除去する為にアルミナ層を通過させ, Zimmermann反応を応用した. 実験成績; 非去勢群投与前3日間平均値0.191mg/day, 去勢群では去勢手術後15〜20日目までの3日間平均値0.120mg/dayであった. 非去勢群10mg/kg, 20mg/kg投与群では有意の差で増加する. 40mg/kg投与群では有意の差はなく, 80mg/kg投与群では有意の差で減少する. 去勢群10mg/kg投与群では有意の差で増加し, 20mg/kg投与群ではやゝ減少し, 40mg/kg, 80mg/kg投与群では有意の差で減少する. 対照群には, プラセボ溶媒のみ20mg/kg相当量を投与したが, 変化は認められなかった. 結論; V.E少量(10mg/kg)投与群では確実に尿中17-KS排出値が増加し, 副腎皮質および卵巣機能が昂進することを認め, 40, 80mg/kgの大量ではそれらが抑制されることを認めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1965-06-01
著者
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