家兎卵胞卵の体外受精
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概要
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体外受精に関する基礎的条件の実験分析は, 生殖生理を解明する上に, 最も重要な方法であると考えられる. 特に体外受精に於ける生殖細胞の栄養物質の要求を追求する為に, 各種の培養液での実験成績が発表されている. 著者は家兎卵胞卵を用いて, この種の実験を行ない, 家兎の実験前処置として, 妊馬血清性ホルモンを数日皮下注射したところ, 採卵8時間前に絨毛性ゴナドトロピンを静注した家兎群に最も成績がよく, 培養液としては, 同種家兎血清を用いた方が, 異種動物血清を用いた場合よりも成績がよく, 同種家兎血清に於いても, 妊馬血清性ゴナドトロピン(以下PMSと略)と絨毛性ゴナドトロピン(以下HCGと略)で処置した雌性家兎血清の方が, 去勢家兎血清, 妊娠家兎血清及び雄性家兎血清よりも成績がよかった. 又, 培養液の種類として, LE, YLE液でも一応卵分割に成功するが, 化学合成培養液を使用した場合に, 桑実期卵になるまで分割を続けるものが多かった. 化学合成養濃液199と血清濃度とを種々な比率にかえて実験した結果, 無血清培養液で一応卵分割が行なわれるものがあったが, 一般に血清濃度が高まるに従い分割率が上昇し, 血清60%〜100%を含む時, 成績が最もよかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1965-10-01