乳腺組織を機能状態に維持する内分泌的因子に関する研究
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概要
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哺乳をつゞければ乳腺は活動状態をつゞけ, 離乳すれば乳腺は機能を失って速かに萎縮する事実がある. 哺乳刺戟が如何なるHormone分泌を起す可能性があるかを追求するために, 正常, 下垂体摘除及び副腎摘除Ratについて分娩後離乳し, 乳腺の退縮を防止することを目標としてProlactin, ACTH, Cortisol, Somatotrophin, Oxytocinを注射してWhole mount法及び組織で乳腺を観察した. その結果PLが最も主役を演ずるものであり, ACTH又はCortisolはそれを増強し, STHは殆んど無関係であり, Oxはわずかに作用するが, それは乳腺への直接作用と考えられた. 但し副腎皮質のAscorbin酸減少法によるとOxはACTHの放出に対しては何等かの作用を示し, この意味で間接に泌乳に関与する可能性は否定出来なかった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-04-01