子宮頸癌患者の尿路変化に関する臨床的研究 : 特にRadioisotope renogramによる検討
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概要
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子宮頚癌患者の尿路変化に関して, 治療前, 岡林根治手術或は放射線療法後, 及び永久治癒を含む外来再来例にわたり, 総数103例に延数200余回のRadioisotope Renogram〔以下Rgと略す〕を行い, 同時に他の一般腎機能検査も併用して臨床的観察を験した. (1) Rg上治療前53例中11例 (20.8%) に中等度以上の尿路障害を認め, 定性及び定量的にも癌の進行と関係があるのを知った. (2) 岡林根治手術後8〜15日目と放射線療法の治療によるRgの変化を53例に観察するに改善12.2%, 不変35.8%, 軽度悪化39.6%, 高度悪化12.3%で, 手術群の悪化 (74.1%) は放射線群の28.8%よりも高く. 手術による尿路変化の大きいのを認めた. しかし5年未満の術後再来例では可成りの恢復が認められた. (3) 旁結合織炎, 腎孟・膀胱炎の如き管瘻の例にRg上高度の排出遷延或は欠如像を認めた. 再発例はRg上何れも高感染, 又は尿度の尿路変化を示し, 特に1側性の腎機能廃絶像を多く認めた. Rgで一定期間観察を行えば尿管瘻の発生及び罹患側の推測は可能である. (4) 永久治癒16例を含む再来46例のうちRg上中等度以上の障害は19例 (41.3%) で, 永久治癒では更に9例 (56.5%) と高頻度の障害を生じ, その主な原因は尿管瘻の既往あるもの6例. 再発4例, 急性腎孟・膀胱炎2例, 原因不明7例 (1例は自家腎摘出) である.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-12-01
著者
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