人胎盤絨毛上皮の電子顕微鏡的研究特に正常人胎盤絨毛上皮の微細構造
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概要
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人胎盤絨毛上皮の電子顕微鏡的研究は多くの研究者達により報告されている. 著者は電子顕微鏡的研究によって絨毛上皮腫細胞の形態的観察を試みようとし, この研究の基礎ともなるべき正常人胎盤絨毛上皮を妊娠第6週より第40週まで逐月的に電子顕微鏡により観察した. 妊娠全期を通して, syncytium細胞とLanghans細胞の著しい相違は, それら細胞質内に遊離するRNP顆粒の量的差異と, 顆粒性小胞体の態度にある. 細胞質内に遊離するRNP顆粒はsyncytium細胞に於いてLanghans細胞のそれよりも多く, 従ってLanghans細胞はsyncytium細胞よりも明るい. 顆粒性小胞体はsyncytium細胞に於ては細胞質内にびまん性に存在するのに反しLanghans細胞は粗に認められる. Langhans細胞は妊娠第40週に於いても認められ, 且つ各細胞間には明瞭な細胞膜構造及び, これに附着するdesmosomeの構造を認めた. これに対しsyncytium細胞は全く合胞性てあって細胞膜構造を認められない. Syncytium細胞の遊離縁に於てpinocytosisを思わせる小胞の開口像及び中に微細顆粒を容れた空胞を観察した. 妊娠後半期特に妊娠第40週に於けるsyncytium細胞質内に層状構造を認める. 妊娠全期を通してLanghans細胞よりsyncytium細胞への移行と思われる構造を見い出すことは出来なかった. これら観察所見より人胎盤絨毛上皮細胞の妊娠第6週より第40週まで逐月的にその形態及び機能について論じた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1964-11-01
著者
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