ヒト及び家兎内***組織LDH
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概要
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妊娠並びに悪性腫瘍に於けるヒト内***組織及び,性ホルモン投与に上る家兎子宮筋組織のLDH isoenzyme patternの変動と酵素組織化学的所見を検討し,以下の成績を得た. 1) ヒト内***各組織LDH isoenzyme patternは,平均的にはLDH3の活性比率の高い中間型を呈した. 2) 子宮筋,子宮筋腫及び腹直筋組織のLDH isoenzyme patternには,子宮内膜組織に見られる様な性周期による変動は認められないが,妊娠によりM type LDHの活性比率の上昇を示したが,卵巣間質組織ではこの様な変化は認められなかつた. 3) 家兎に於ける動物実験では,Estrogen単独及びEstrogenとprogesteroneの併用投与により,M type LDHの活性比率の上昇を認め,酵素組織化学的には濃染傾向を認めた.これらの所見はActinomycin Dの併用投与により阻害された. 4) 子宮頚癌並びに卵巣悪性腫瘍に於いても,M type LDHの活性比率の上昇を認め,酵素組織化学的所見では病変部が濃染される傾向を認めた.この濃染性はUreaにより明らかに阻害された. 5) 子宮頚癌組織LDH isoenzyme patternは,放射線療法とBleomycin投与による治療によりLDH3の活性比率の高いpatternへと変化した. 6) 以上の結果より,内***に於ける性ホルモンによる影響及び悪性腫瘍による変化はM type LDHが主体を成しており,酵素組織化学的所見の濃染傾向は主としてM type LDHによるものである事が推論された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-03-01