妊娠中に於けるLAPの生成源について
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概要
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妊娠中に,特異的に上昇するLAPについて,この時の産生部位に検討を加える目的で,本実験を行つた.妊産婦420例,新生児246例,羊水穿刺58例について,血清,尿,羊水,各臓器を対象とし,total-LAPの測定は,l-leucylから血清中LAPに比例して生成される,beta-naphtyl amineをジアゾ化して,比色定量して求めた.zymogramは,ポリアクリルアミドカラム電気泳動によつた.母体血清中LAPは,妊娠月数の増加に伴つて上昇し,妊娠末期で最高値(1178± 334G.R.)となり,分娩後急速に減少,2週間で正常に復した.しかし,母体尿中LAPは,妊娠,分娩後とも,大きな変化を認めず,尿中LAPは,血中LAPと異なり,腎由来であると,推定された.妊娠中LAPの上昇は,肝臓以外にもあるであろう事が,isozymeより明確となり,その部位は,子宮,胎盤であると思われる.又母体LAPは,胎盤を介して,胎児へ移行しないであろう事もisozymeより考えられた.羊水中LAPは,胎児の成熟度と,何等かの関係が有り,特に,妊娠中期以後の,羊水LAPは,胎児由来であると推測され,母体からも容易に影響を受ける場合もあり得る事を知つた.しかし,羊水LAPが,胎児腎であるのか,肝であるかは不明であつた.
- 1975-03-01
著者
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