エストロゲン,抗エストロゲン剤の作用機構に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は産婦人科医が日常利用する事の多いestrogen,抗esrtogen剤の生物学的効果発現機構をsteroid receptorの面より観察するために行つた. 1) ethynylestradiol (EEDと略),diethylstilbestrolはestradiol (E_2と略)とほゞ同一の作用機構を取る事を種々の方法により明らかにした.しかし,mestranolはEEDに代謝されてその効果に結びつくものと思われる. 2) estroneは子宮のcytosol,核いずれの分画でも受容体複合体を形成するが,estriolは核からは複合体として回収出来なかつた.estriol, estroneはいずれもE_2とはやや異なつた様式で作用する可能性がある. 3) clomiphene citrateはE_2と同一のbinding siteに働きかける可能性が認められた. 4) norethindroneの主たるestrogen効果はその代謝産物であるEEDがつかさどり,またcytosolではnorethindrone自体はむしろE_2のestrogen効果をblockするという二つの効果が混合した複雑な性質を有している. 5) progesteroneの抗estrogen効果はpost-transcriptionalな効果であろうと思われた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-02-01
著者
関連論文
- 57. エストロン・レセプターの薬物親和性に関する検討
- エストロゲン,抗エストロゲン剤の作用機構に関する研究
- 50. Progestogen receptorに関する研究
- ウサギおよびラット子宮のprogestogen receptor