ハリ麻酔の基礎的研究 : 2点識別法による麻酔効果の統計学的検討
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概要
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ハリ麻酔の効果を2点識別法を用いて検討した.すなわち,ハリ通電時の腹壁において2点識別最短距離の実測を行ない,得られた数値の統計学的処理を行つた. (1) 55例の健康婦人を対象として研究を行つた. (2) 施針を行つた部位は,耳の交感と子宮,および脾経の公孫,三陰交さらに足三里を選び,一定の条件で通電刺激を行つた. (3) 識別距離の測定は,腹壁土の関元を中心として縦,横の2方向で行ない,通電前と通電開始後10分,20分,30分,40分,50分,60分で計測した.ここで通電を中止し,さらに10分間隔で1,時間後まで同様の計測を行つた. (4) 識別最短距離をf値とし,縦方向をf_y,横方向値をf_xとすると,f_y,f_xともに通電開始30分後までは徐々に増大し,その後の30分間は急激な知覚の鈍麻域の拡大,すなわちf値の増大がみられた.通電中止後は1時間でほとんど施針前の状態にもどる傾向を示した.f_y値をf_x値と比較するとf_yはf_xより大きい縦長の長円域の傾向を示した. (5) f値の時間的変化の検討では,施針後30分間隔ごとに3回麻痺効果に特異な変化が認められた. (6) 方位効果係数Vの検討を行い,縦方向の効果が横方向より大である傾向を認めた. (7) 効果発現における個人差の検討を行い,一般に鋭敏な症例では効果係数が大であり,反対に鈍感な症例では効果が小さい傾向を認めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-01-01
著者
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