正常妊娠および晩期妊振中毒症における尿中 17-KS, 17-OHCS, および 17-KGS の動態について
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概要
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妊娠時において, 主要ステロイドホルモンの代謝状況の概要を総体的に把握せんとして, 著者は正常非妊婦, 正常妊婦, 正常褥婦, 妊娠中毒症妊婦および中毒症褥婦の尿中総 17-ketosteroids (17-KS), 17-hydroxycorticosteroids (17-OHCS), 17-ketogenic steroids (11-oxy-17-KGS, 11-deoxy-17-KGS) を測定し, 次の結果を得た. 1. 17-KS および 11-deoxy-17-KGS が妊娠中期以後増量し, 分娩後, 比較的速やかに非娠時の値に復する成績を得た. 17-OHCS および 11-oxy-17-KGS は妊娠による影響の少いことを認めた. 2. 以上の結果から, 妊娠中におけるステロイドホルモンの代謝状況は pregnenoione→dehydroepiandrosterone→androstendione→estrogen, pregnenolone→17α-OH-progesterone→pregnanetriol の経路がより有意であると推定された. 3. 妊娠中毒症妊婦においても各測定値はほぼ正常妊婦の場合と同様の消長を示したが, 17-KS および 11-deoxy-17-KGS の増量の程度は正常妊婦に比し軽度である. また産褥において, 17-OHCS および 11-oxy-17-KGS 正常褥婦に比し低値の傾向を認めた. 4. 以上の結果は feto-placental unit の反映と見做しえるので, 中毒症妊婦においてはその unit の機館低下が推定される. なお, 中毒症妊婦の産褥においては副腎皮質機能の低下が推定された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1973-06-01
著者
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