産婦人科感染症における無胞子嫌気性菌の臨床的意義に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
産婦人科領域の嫌気性菌について過去4年間の検出状況, 菌種別頻度, 単独感染の分析, 臨床面での病原的意義並びに化学療法などについて再検討を試みる目的で産褥内子宮感染, 外***感染症等407例について嫌気性菌の分離を好気性菌の培養と併用した結果, 351例の培養陽性例中約半数に嫌気性菌を分離し得た. 本菌のみの単独検出例は骨盤内感染症では約1/4, 術創惑染や外***感染症では約1/3を占め多くは好気性菌との共存でいわゆる混合感染の型式をとるものが多く, 分離308株の菌種別頻度は Bacteroides が最も多く, 以下 Peptococcus, Peptostreptococcus, Veillonella, であり, 有胞子の Clostridium は極めて少ない. また骨盤内感染症病巣よりの検出頻度は好気性菌の60.6%に比して嫌気性菌は球菌, 桿菌あわせて39.4%であつた. 疾患別では産褥子宮内感染, 骨盤内化膿巣からは嫌気性ダラム陽性球菌の分離が首位を占め, 術創感染, 外***感染では, Bacteroides の検出が高率であり, 特に膿瘍形成の傾向の強い Bacteroides の術後感染における病原的意義の大きいことを認めた. 嫌気性菌の抗生物質に対する感受性態度は菌種により感受性の異なるものがあるが現在のところ常用抗生物質 (SM KMを除く) に大部分が感受性菌で耐性面では Bacteroides を除けば考慮を要しない.
- 1973-02-01
著者
関連論文
- 91. 骨盤内感染症の臨床細菌学と化学療法に関する研究 : 特に附属器溜膿腫を中心として
- アセトンによる膣内容塗抹標本固定について
- 2.アセトンによる腟内容塗抹標本固定について(B:その処理方法, 主題:細胞診について, II パネル・ディスカッション, 1962年秋期談話会講演要旨)
- 産婦人科感染症における無胞子嫌気性菌の臨床的意義に関する研究