子宮筋収縮に対するOxytocin, Estradiol-17βおよびProgesteroneの作用におよぼすMgイオンの影響
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概要
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成熟非妊および妊娠ダイコクネズミ摘出子宮筋を用い, 子宮筋収縮波形, 細胞外誘導活動電位および細胞内電位の面よりin vitroにおけるOxytocin, Estradiol-17βおよびProgesteroneの作用におよぼすMg^⫲の影響について検討した. 1) Tyrode液中のMg^⫲を除くと子宮筋収縮は強まり, Tyrode液中のMg^⫲濃度を5mMに高めると子宮筋収縮は抑制された. 2) in vitroにおけるOxytocinに対する子宮筋の感受性は, 0.5mM Mg Tyrode液およびTyrode液では妊娠経過とともに上昇したが, 無Mg Tyrode液および5mM Mg Tyrode液では非妊および妊娠経過中ほぼ不変であつた. 3) Oxytocin作用時の細胞外誘導活動電位は0.5mM Mg Tyrode液においてスパイク振幅の増大および均一化を示し, スパイク放電群間隔が短縮し, スパイク放電群持続時間もほぼ一定となり, 活動電位と収縮波形の同期性も良かつた. これらの現象は種々のMg^⫲濃度の中で0.5mM Mgにおいて最も著明であつた. 4) Oxytocin作用時0.5mM Mg Tyrode液で細胞内静止電位は35.2±0.56mVであり, Tyrode液, 無Mg Tyrode液および5mM Mg Tyrode液における細胞内静止電位に比べ最も脱分極の傾向が強かつた. 5) Estradiol-17βはin vitroで子宮筋収縮を抑制したが, 無Mg Tyrode液ではTyrode液および5mM Mg Tyrode液に比べ抑制が軽度であつた. 6) Progesteroneもin vitroで子宮筋収縮を抑制したが, その作用初期には一過性の収縮促進が認められ, 高濃度のMg^⫲の存在下で著明であつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-06-01
著者
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