IUDの子宮収縮に及ぼす影響について
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概要
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IUD (子宮内避妊装置) 作用機序解明の一端として, Open end Catheterを使用し, 非妊ヒト子宮収縮及びIUD装着婦人の子宮収縮を比較検討し, 以下の成績を得た. 1) 子宮収縮を収縮の高さ, 持続時間によりI〜V型に分類し, その10分間の出現頻度を比較検討した. なおI型の平均収縮の高さは2,0mmHg, 持続時間は16.7秒, II型は高さ5.1mmHg, 持続30.6秒, III型は高さ9.8mmHg, 持続20.4秒, IV型は高さ10.2mmHg, 持続84.4秒, V型は高さ22.5mmHg, 持続95.7秒であつた. 2) 非妊時のヒト子宮収縮は, 増殖期には10分間に平均I型が14.6回, II型が6.0回, III型は4.9回, IV型は0.1回出現し, 分泌期前半はI型は19.3回, II型は1.5回, 分泌期後半はI型は14.6回, II型は1.9回, III型は0.2回, IV型は0.3回, V型は0.1回出現した. なお, IV型, V型の収縮は月経直前に認めた. 全体としては, 増殖期の収縮が大きく, 平均収縮の高さ4.3mmHg, 持続21.0秒, 分泌期前半は, さざ波様の収縮で一番小さく, 高さ2.2mmHg, 持続20.0秒, 分泌期後半は高さ2.6mmHg, 持続19.6秒であつた. 3) IUD装着婦人については, 増殖期, 分泌期前半は, 非装着正常例の子宮収縮と比較して特に変化はないが, 分泌期後半には, 収縮増大の傾向を認め, III型, IV型, V型は多く出現した. 4) IUD挿入直後には, 収縮が増大した症例も一週間後には正常の収縮状態に戻つた. 5) IUD除去前後の収縮をみると, 装着期間の長い程, 除去後の子宮収縮は大きな収縮 (IV型, V型) が多く出現した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-05-01
著者
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