各種ホルモン投与時の成熟ラットの肝, 副腎, 卵巣のΔ^5-3β-Hydroxysteroid Dehydrogenase活性の変動について
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概要
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副腎と卵巣のステロイド産生能と肝のステロイド代謝機能を知る一つのindexとしてΔ^5-3β-hydroxysteroid dehydrogenase (3β-HSD) を撰び, 各種ホルモンを連日雌ラツトに投与したのち3β-HSD活性をDorfman法に従つて測定した. 臓器重量, 総活性, 並びに比活性の変化により6種類の変化に分類された. 即ち, type1〜3の変化は刺激効果で, type4〜6は抑制効果とに二分することができた. 1) 正常ラツトにestradiol17β(10γ/day×1) を投与すると卵巣と副腎にtype1の効果をもたらし, 更に投与を続けるとtype5の抑制が起つた. また, 肝には3β-HSD活性の誘導を認めた. 更に, testosterone, dehydroepiandrosterone並びにprogesteroneの影響についても検討を加えた. 2) diestrus phaseのラツトにHCG (50IU/day×3) を投与すると卵巣にtype1の変化を起したが, estrus phaseに投与しはじめたときは前者より48時間遅れて初めてtype1の変化がみられた. 一方, 副腎にはHCG (50IU/day×2) によりtype4の抑制を起したが, 更に投与を続けると元に戻つた. 3) 下垂体を摘除すると, 副腎と卵巣の重量, 並びに3β-HSD活性は著しく減少するが, HCG (50IU/day×6) 投与である程度まで回復した. また成長ホルモン (0.5mg/day×7) とACTH (4IU/day×4) は下垂体摘除による副腎の3β-HSD活性減少をある程度まで防いだ. 卵巣摘除後にはHCG (50IU/day×2), progesterone (5mg/day×3) 並びにestradiol-17β (10γ/day×3) 投与により副腎にtype1の変化を起した. 従つて, ある条件下ではHCGは向副腎作用も有すると思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-02-01
著者
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