ヒト胎児細胞のin vitroにおけるX線, 腫瘍ウイルス単独および重複処理による変換現象
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概要
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ヒト胎児の細胞をin vitroで培養し, 継代7代, 培養109日目あるいは継代11代, 培養141日目の細胞を10^5TD_<50>前後のRous肉腫ウイルスSchmidt-Ruppin株 (SR-RSVと略す) で処理すると, 処理後2週間前後から処理細胞の形態的変換がみとめられ, その変換細胞10^5コ前後をニワトリヒナ翼下に接種すると肉腫が発生し, ウイルスゲノムの存在が証明された. しかし, RSV単独処理による変換細胞は継代とともに脱落し, 無処理対照細胞とほゞ相前後して継代が困難となつた. 同様にヒト胎児の培養細胞を150RのX線照射処理を行うと, 処理後一時増殖が止まるが処理後3日前後から再び増殖を開始する. しかしながら6ヶ月間の観察期間中形態的変換は認められなかつた. X線照射後, 10^5TD_<50>前後のSR-RSVで重複処理を行うと, SR-RSV単独処理の場合と相前後して処理細胞の形態的変換がみとめられたが, SR-RSV単独処理による変換細胞と形態的変換, 増殖, 継代, 軟寒天内コロニー成能, 移相性などの点で著しい相違は認められなかつた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1972-01-01
著者
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