胎児心電図の波型分析
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概要
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福島県立医科大学附属病院産科に入院した妊婦237例 (1966年8月〜1967年2月) を対象として母体腹壁上より胎児心電図を測定し, 予定日超過群, 胎盤機能不全症候群, 正常群に関して調べ分娩監視上利用出来る波型の特徴と, 如何なる波型変化が見られた時に胎児切迫仮死を推定し得るかを検討することを目的とし次の結果を得た. なお対象妊婦は134例が初産婦で残りは経産婦であった. 1. 波型の分析を試み, R型, R+Rs型, Rs型, R+RS型, RS型, rS型, S型等に分けたが, 下向性胎児棘波 (S波) の振巾が増大するにつれてApgar指数は悪化した. 2. 胎盤機能不全症候群に比較的特異な波型はRS型, rS型, S型であった. 3. 正常分娩群と予定日超過分娩群の間には波型上有意の差が認められた. 4. 正常分娩群と胎盤機能不全症候群の間にも波型上有意の差が認められた. 5. S型を呈するものは骨盤位であるが, もし頭位ならば胎児切迫仮死を疑い, 何んらかの疾患を考えることになる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-09-01