ヒト卵巣におけるEstrogen生合成について
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概要
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ヒト卵巣におけるEstrogen生合成について, できるだけ生理的な条件のもとで観察するために, 1) ヒト卵巣静脈血中のEstrogenの測定, 2) Isotope標識 Precursorを加えたin vitroのヒト卵巣潅流実験を行なった. 対像はいずれも正常月経周期を示す婦人で開腹手術の適応のあるものである. その結果1)では各月経周期を通じてEstradiolがdominantに分泌される事を推定させる成績が得られた. 又 2)においてはAndrostenedione-4-^<14>C, Progesterone-4-^<14>C, Cholesterol-4-^<14>CをPrecursorとしてヒト卵巣を潅流し, 潅流液よりPhenolic分画を抽出して Celite gradient elution partition chromatography, paper chromatography, thin layer chromatography等でestradiol, estrone及びestriolを分離, 精製, 純化を行ない, 更に必要に応じて再結晶法を行ない, 各段階でのspecific activityを求めて同定した. その結果いずれの場合もestradiolのみが生合成されるとの新知見が得られ, かつそのyieldはそれぞれ4.7%, 1.5%, 0.1%であった. 以上の成績は, 卵巣はCholesterol, Progesterone, AndrostenedioneをprecursorとしてEstrogenを生合成する機能を有する事, 及び卵巣からのEstrogen分泌が生物学的活性の最も強力なestradiolo形でなされる事を示している.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-09-01
著者
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