切迫流産における尿中Estrogen' Pregnanediol及びPregnanetriolに関する臨床的研究
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概要
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切迫流産における尿中Estrogen (E) 3分画, Pregnanediol (Pd), Pregnanetriol (Pt) を測定し, これらの動態について検討した. 流産に終った予後不良群は予後良好群や正常妊娠群に比べ各ホルモン (ホ) が著明な低値を示し, 既に絨毛変性が高度に進行している事を想像させた. 一方妊娠を持続し得た予後良好群では, 各ホが正常妊娠群の値に近く, 予後判定上興味深い. しかし単一のホについてみると, 予後良好群でも低値のものがあったり, 予後不良群でも高値のものがあって, 各ホ値について総合的判断が重要である. 子宮出血についてみると, 予後不良群では全例が出血を伴い, 予後良好群で出血を伴う例は, 無出血群に比べてホ値が低い. 特に estriol (Et) が顕著であった. しかし出血日数とホ値に相関は認められず, また治療前のホ値から流産する迄の日数は判定出来なかった. 本研究対淑中満期産低体重児を分娩したものはなく, またそれらは何れも妊娠初期切迫流産時のホ値に異常を認めなかった.
- 1968-05-01