子宮頚腟部各種病変におけるDNAの組織化学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
顕微分光測定法による細胞核DNA量の測定は, Caspersson, Leuchtenberger等多くの研究があるが, 著者は子宮頚腟部の正常扁平上皮, dysplasia, 上皮内癌および扁平上皮癌の細胞核DNA量を上皮6区分層において測定し, その量的変化および変異像より比較検討した. dysplasiaの核DNA量の変異は正常扁平上皮よりも明らかに拡大するが上皮内癌ほどではなく, 両者の中間位を占め, その変異パターンからV型, IIa型, IIb型の3群に分類した. そしてIIb型の下層部DNA量変異は或種上皮内癌 (IIIa型) のものと類似している. 上皮内癌では全層にわたり同一型DNA量変異を示すが, その変異巾よりIIIa型, IIIb型に分けた. IIIb型のDNA量変異パターンは扁平上皮癌のそれと同一像を示した. 扁平上皮癌の核DNA量変異は極端に拡大し, 最高値は正常中間細胞の6.5倍値を示した. 以上軽度, 中等度のdysplasia, 高度のdysplasia, 上皮内癌, 扁平上皮癌のあいだには左から右へむかう核DNA量変異の段階的増量パターンが認められた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-11-01
著者
関連論文
- 121. 子宮頚部のdysplasiaおよびCa in situの組織化学的研究 : とくにDNA含量と分布域について
- 182. 笑気麻酔器を用いたフローセン吸麻による無痛分娩 (II 一般演題 第6群 手術. 麻酔)
- 64. 子宮頚癌に対するベータトロン電子線の1回大量照射による病理組織学的研究
- 示74. 婦人科領域の悪性腫瘍に対する動脈撮影の意義
- 講76. 子宮頚癌に対するwhole pelvis irradiationに関する研究 (第2報)
- 135. 子宮頚癌患者と尿路変向
- 子宮頚腟部各種病変におけるDNAの組織化学的研究