妊娠, 分娩, 産褥時ならびに絨毛性腫瘍時の尿中Pregnandiol値の動態に関する研究 : Gas-liquid chromatography法による
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概要
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妊娠時並びシこ絨毛性腫瘍におけるProgesterone (以下Prog.と略す) の動態を検討する目的で Gas-liquid chromatography (以下GLCと略す) を用い尿中のPregnandiol (以下PGと略す) を測定した. I. 産科領域における尿中PG値の変動 1) 正常妊婦42例54検体を測定し, その結果, 妊娠週数の経過と共に漸次増加し, 33〜36週で最高33.35±13.61mg/dayのピークを示しその後下降する. 2) 更に38週頃より下降し陣痛発来時10mg/day前後となり, 胎盤娩出後激減する. 産褥4〜7日できわめて低値となる. 3) 妊娠中絶, 帝王切開術時及び分娩陣痛誘発の為のブジー挿入後分娩時も尿中PCの減少のパターンは自然分娩のそれと大差はなかった. 4) 子宮内胎児死亡例では明らかに, 相当する妊娠週数のPG値に比較して低値であった. II. 絨毛性腫瘍時における尿中PG値の変動 1) 胞状奇胎4例中3例はその相当妊娠週数に比して低値, 1例はほゞ正常値であった. 奇胎除去後測定例8例全てに施術後PG値の下降をみたが, 人工妊娠中絶や帝王切開術後に比較してその減少度は緩徐であった. 2) 破壊奇胎は術前平均値0.82±0.32mg/dayで奇胎除去後のPG値の下降が遅いか, または一旦下降後に上昇している. 病巣剔出後はPG値の明らかな低値を示した. 3) 絨毛上皮腫5例測定した. 術前尿中PG値は0.97mg/day, 術後値は0.49±0.21mg/dayと極めて低値であった. 化学療法による症状の寛解, 転移巣の縮少, 及びHCGの低値化と共に尿中PG値の低値への変動がみられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1968-10-01
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