人絨毛細胞のSV40によるTransformation及びそのハムスター子宮内移植
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概要
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妊娠初期のTrophoblast(以下Tr.と略)細胞を培養し, 細胞レベルでのTr.の動態を観察する一方, viral carcinogenesisにより試験管内発癌を試み, Tr.の腫瘍性の獲得過程をin vitroにて探求し, 下記の成績を得た. 1)Tr.が10%仔牛血清加Eagle's MEM培養液にて培養可能であり, かつ継代培養も行ない得る事. 培養細胞は形態を分類するにepithelioid cell, fibroblast like cell, giant cellの三種に大別され, epithelioid cellはHCGを標識した蛍光抗体直接法により, 細胞質内に蛍光を発する事が観察された. 培養液中のHCG値は培養の継代をへるに従い, 漸減傾向を示した. 2)Tr.がpapova virus SV40によりtransformationをきたす事を形態学的及び免疫学的に確認した. transformationをきたしたTr.は異型細胞の増加, contact inhibitionの解離, pile up, colony formationの増加が認められ, 増殖能が旺盛となり染色体数も変化をきたした. 細胞の核内には蛍光抗体間接法により, T抗原を検出した. 培養1年後, 株化細胞を得たが, その染色体数は56, 58にmodeを有すbimodal hyperdiploidyであつた. 3)transformed cellの移植をハムスター子宮に行なつた結果, あらかじめsteroid hormoneにより偽妊娠状態にしておいた子宮内で細胞の定着増殖が認められxenogenous transplantationが一定期間成立する事を見出した. なお, 正常細胞は定着を認めなかつた.
- 1971-03-01
著者
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