Human Pituitary GonadotropinのRadioimmunoassayとその応用に関する研究
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概要
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ヒト下垂体よりFSHを自家抽出し,それによる家兎抗HFSH血清を作製し,ついで精製純化したHFSHを抗原としてこれに^<125>Iを標識して,2抗体法によるヒトFSHのRIAの基礎的検討を行ない,またLHのそれについてもNational Pituitary Agencyより提供を受けたLER 960を抗原とし,抗体には抗HCG血清を用いて,同様の2抗体法によるヒトLHのそれの基礎的検討とこれを用いるLHの測定を行ない,次のごとき成績が得られた. 〔FSH〕 1) 自家抗HFSH血清は,その400倍稀釈で^<125>I-HFSHと36%の結合力を示したが,稀釈につれてそれは急速に低下した.またこの抗血清は^<125>I-HLHとも33%の結合力を示した. 2) 抗HFSH血清1mlに対してHCG75,000IUを添加すると,^<125>I-HFSHのmax. percent boundは18%となり,また^<125>I-HLHとのそれは10%となつた. 3) 抽出精製FSHおよびLER 907をstandardとしてdose response curveを求めると,この両者はほぼ平行し,それの測定可能な範囲はおよそ20〜150mIU/mlとなつたが,max. percent boundはわずかに10数%にすぎないため,これらを用いるRIAには正確度の点でなお問題があり,実用に至らなかつた. 〔LH〕 1) 抗HCG血清の1,000倍稀釈では,^<125>I-HLHと42.5%の結合力を示し,稀釈につれ結合力は低下した. 2) ACTH, Prolactin, HMGおよびHGHをHLH測定系に加えて検討したが,HMGを除いてそのいずれにも交叉反応な認めることができなかつた. 3) 正常婦人の月経周期の血清中LH量を測定し,排卵Hに一致してピークのあることを認めた. 4) ヒト胎児下垂体のLH量を測定し,胎令4ヵ月よりその活性を認めたが,これはまた胎令の増加に伴つて高値となり,その値と傾向はbioassayのそれとほぼ一致していることを認めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1971-10-01
著者
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