Co^<60>遠隔照射による子宮頸癌の肉眼的・組織学的・細胞学的変化
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概要
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子宮頚癌患者40例にCo^<60>遠隔照射を行ない,原発病巣が肉眼的・病理組織学的及び細胞学的にいかに変化するかを観察し,その照射線量との関係を検討し以下の結果を得た. 1. 肉眼的には,分泌物増加,分泌物減少,潰瘍ないし腫瘍の平滑化,腫瘍縮少及び苔被形成等が認められた.肉眼的に照射効果を認めた線量は骨盤部左右2000R及び背部からの300ORである. 2. 病理組織学的には,癌細胞の膨大,細胞質の濃染,硝子様変性,空胞形成,核の変化として有糸分裂の減少,核膨大,核の濃縮・破壊,病巣内遊走細胞の出現等が認められた.組織学的に十分な照射効果を示したのは,骨盤部左右3600R及び背部からの300OR照射時である. 3. 腟塗沫中の細胞学的変化は,癌細胞の膨大,異形細胞の出現,細胞質内空胞形成,核の変化として核淡染,核膨大,多核,核破壊等が認められた.細胞学的に照射効果の認められたのは骨盤部左右1000〜1400R以後である. 4. 抗癌剤(エンドキサン)投与による肉眼的及び細胞学的変化への影響を検討したが,投与群と非投与群の間に明白な差異は認められない.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-09-01