ネズミ肝再生に対する成長ホルモンの影響
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概要
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肝の部分切除後の再生にさいして, RNA代謝が促進することはよく知られている. このとき下垂体前葉の成長ホルモンのRNA代謝に対する影響を明らかにする目的で実験した. その成績を要約すると次の通りである. 1)肝を部分切除し, 6時間後に肝の核, 核小体およびクロマチンのRNAポリメラーゼ活性をしらべると, 正常のネズミでは上昇したが, 下垂体を摘出したネズミでは上昇しなかつた. 2)下垂体を摘出したネズミに成長ホルモンを注射すると, 肝の核, 核小体およびクロマチンのRNAポリメラーゼ活性が上昇した. 3)下垂体を摘出したネズミに成長ホルモンを注射した後, 肝部分切除を行なうと, 6時間後には, 肝の核, 核小体およびクロマチンのRNAポリメラーゼ活性が上昇した. 4)成長ホルモンが肝再生の初期に関与することを肝の核, 核小体およびクロマチンのRNAポリメラーゼ活性の側から証明した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1971-01-01