子宮頚癌根治手術に伴う排尿障害の対策について : 膀胱圧出筋の二重神経支配
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概要
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子宮頚癌根治手術後に生ずる膀胱麻痺は従来広汎性子宮全摘に伴う宿命的な後遺症とされている. この原因は膀胱支配神経の損傷によるものと考えられ, 有効適切な治療方法が模索されている. この問題を解明するため, 組織化学的染色法を用いて旁子宮・旁膀胱組織を綿密に検索することにより, その組織中に多くの神経特に自律神経が存在することを明らかにした. 更に膀胱支配神経の走行を検索した結果, 骨盤神経に副神経が存在するのを発見し, これに電気刺激を加えると膀胱壁の収縮することを認めた. 術後の頑固な排尿障害は, この副神経を意識して処理することによって, 根治性をいささかも後退させないで回避しうる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1970-07-01