白鼠視床下部破壊による泌乳障害とその代償実験
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概要
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A 授乳ラッテの視床下部を破壊すると, 泌乳障害をきたす. このような泌乳不全のラッテに Oxytocin, Prolactin 及び Cortisol を投与して, その泌乳恢復状態を観察し, 更に視床下部の破壊部位を組織学的に検討した. 1) Oxytocin 単独投与で泌乳恢復の認められた例があった. 2) Cortisol 単独投与で泌乳恢復の認められた例があった. 3) Oxytocin+Cortisol 併用投与で泌乳恢復の認められた例があった. 4) Oxytocin+Cortisol 併用投与で泌乳恢復の認められない例もあった. 5) Prolactin 単独投与は無効であった. 6) 視床下部の視束交叉〜中央隆起の部位が泌乳障害に関係あると推定される. B 従って Prolactin の分泌と視床下部の関係を解明するために, 成熟非妊ラッテの視床下部を破壊し, 持続静止ラッテについて検討した. 1) 中央隆起の後半部を軽度に破壊すると持続静止をきたす. 2) 持続静止ラッテに子宮外傷を与えると Deciduoma が形成された, 即ち視床下部は Prolactin の分泌に対して抑制的に作用していると考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1970-06-01
著者
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