子宮頚癌治療におけるリンパ系造影法の研究 特に転移促進の可能性, 遺残リンパ節の問題について
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概要
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Kimmonthの直接リンパ系造影法の確立以来, リンパ系造影法が各科領域に於て広く応用されている. 著者は別報に於て, 子宮頚癌治療, 特に放射療法例に於けるリンパ系造影法の有用性について報告した. しかしながら, リンパ系造影法を実施するにあたり, 油性造影剤を下肢より圧入することによる癌細胞播種, 即ち転移促進の可能性が疑われる. そこで今回, 動物実験及び臨床検索を行ないこの点を追求した. 又, 根治手術時のリンパ節遺残が予後にどのような影響を及ぼすかについても検討した. その結果Brown Piace腫瘍細胞睾丸内移植家兎に油性造影剤を下肢より注入, 胸管リンパ液での腫瘍細胞出現及びリンパ液中細胞の変化を追求したが, 注入前後に差は認められなかつた. 臨床検索に於ても, リンパ系造影法施行例と非施行例との間で5年治癒率に差を認めなかつた. 根治手術時のリンパ節遺残は転移(+)例に於ては遺残(-)例よりも予後は悪く転移(-)例に於ては, 廓清の完全不完全は予後に影響を与えない事を認めた.
- 1970-10-01
著者
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