胎盤における糖代謝の研究 : ヒト絨毛組織のGluconeogenic enzyme活性について
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概要
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初期胎盤絨毛組織におけるGlucose (G.)の代謝機構を観察し, 次の結果7を得た. 1)Glycogen (Gln.)生成能は満期より初期絨毛組織において約3倍高い値を示した. 2)組織内遊難G量はほゞ一定の値を保つよつな機構(G. Pool)の存在が予想された. 3)組織内Gに取入れられたGは速やかに代謝されて, GlycerolやGln.に組入れられた. 4)Gln.合成はGluconeogenesisによつてもかなり行なわれ, Estradiol (Est.)はこの過程により促進的に作用した. 5)糖新生の素材となる^<14>C化含物のGln.への組入れは, アスパラギン酸からGln.への糾入れがEst.によつて促進された. 6)糖新生鍵酵素に対するEst.の作用は, PEP-carboxykinase. FDPaseに対して促進的に, G6-Paseに対しては抑制的に働き, Pyruvate carboxylaseに対しては影響を認めなかつた. 7)Est.の作用に対し, Actinomycin Dは影響を示さず, Cycloheximideは抑制的に働いた. Est.はPEP carboxykinase. FDPase作用に関する酵素蛋白質の生合成に直接的に作用しているものと思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1970-10-01
著者
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