新生児に於ける血清アルブミン予備結合能に関する研究
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概要
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脳性麻痺, 核黄疸の成立機序として最近注目を集めている血清アルブミン予備結合能について実験的及び臨床的検討を加え次の緒論を得た.1)正常新生児期に於ける血清アルブミン予備結合能は, その殆んどがHBABA法に於て50〜90%に位置し, 危険値と看做される25%以下のものは全く見られたかつた.又逐日的な変動としては分娩後は軽度の低下を示し, 血清ビリルビン値とほゞ逆の相関関係を示した.2)重症黄疸の為交換輸血を受けた例では1例を除いて予備結合能は30%以上に保たれ, 所謂危険値という25%以下を示すものは認められなかつた.これが25%に達した1例の血清ビリルビン値は30〜35?/dlの間にあつた.概して結合能はビリルビン値の上昇と共に低下する傾向を示した.3)交換輸血例に於て血清総蛋白量とアルブミン結合能は正の相関を示し, 蛋白量の増加と共に結合能の上昇を示した.4)同様に血清アルブミン量と予備結合能は同じ相関関係を示した.5)交換輸血によるアルブミン予備結合能は軽度に上昇した.6)交換輸血によつて血清アルブミン予備結合能は時として軽度の rebound を示す事があつたが, 再交換, 再友交換に於て rebound 現象は認められなかつた.7)血清に薬剤を添加し, これによる予備結合能の変動を in-vitro で in?bate し検討し時間, 温度(25℃と37℃)等の条件で, わずかに影響を受ける様に思われた.8)新生児期に常用される薬剤(Sulfisotasol, Sulpyrin, Secopyrabital, Methacolimycin, Staphcillin)の血清内添加実験では, 基準濃度及びその倍量では血清アルブミン予備結合能に殆ど影響を及ぼさないが基準濃度の10倍量では Sulpyrin, Sulfisoxasol, Penicillin Naは著明な結合能の低下を示した.
- 1970-12-01
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