Norethisterone と Mestranolを用いる経口避妊の成立機序に関する研究
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概要
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gestagenとestrogenとを用いる経口避妊法の成立機序については, 中枢説あるいは卵巣直接説その他の諸説があり, なお一定の見解が得られていない. 筆者はその本体の中心に性ステロイドホルモンによる排卵抑制があり, これによる本質的作用の1つにステロイドホルモンのestrogenecityがあるとの立場をとり, その主張の実験的裏付けと, それの成立機序についてNETとmestranolを用いて動物並びに臨床的研究を行ない次のごとき結論を得た. 動物実験のそれにおいて避妊の成立機序には性腺系機能の抑制がその中心にあり, またこれの作用機転にステロイドホルモンのestrogenecityが密接な関連を有することを一定量以上の投与量によって実験的にある程度裏付けすることができた. またヒトのそれにおいても対象37例についての尿中total gonadotropin, total estrogen, 17KS, 17OHCS量を連続測定し, 服用中はいずれの値も減少する傾向があること, 1周期当りのそれにおいては対照周期のそれと異なり, G.E.相関の認めがたいことよりgestagenとmestranolを用いるcombination法においては, その中心となる避妊の成立機序が性上位の中枢, あるいは前菜の性腺刺激機能に抑制が起るため排卵が抑制され, これがまた本成立機転の中心となり, ***系への影響もかわる一方避妊個体の性上位系機能においては, なれの現象が成立し, この機転の成立によってはじめて長期服用例においても性機能の障害が起らず, 中止後却って増強することを明らかにした. したがって本研究の成果として内外いずれの研究報告においても従来みられなかった長期服用例における抑制された性腺系機能の実態をはじめて明らかにすることができたと考えられる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-12-01
著者
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