Down症候児を2回連続分娩せる症例 : 特にその後の妊娠可否について
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概要
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ダウン症候群(Down Syndrome)とはL. Downが臨床的に独立させた症候群でありいくつかの明瞭な特徴がこの病像の発見を容易とさせているが,最近ではこの病像の診断のきめては染色体検索を行うことに集約されてきている傾向がある.1956年Tijo and Levanが正常人の染色体数は22対の常染色体と1対の性染色体との46個からなることを明らかにして以来最近数年間における染色体研究の発展は実にめざましいものがある.異常染色体構成に関する研究は,LejeuneらによつてDown Syndrome(以下D.S.と略す)の患者ではじめて見出された.時を移さずJacobs, Book等により追試され,この患者の染色体数は47で21番目の常染色体が正常より1本多いNo. 21 Trisomy構成からなることが明らかになつた.ところがその翌年染色体の数は正常と同じく46個でも臨床上はD.S.と同じ症状の患者がいることがPenrose, Polani, Fraccaro等によつて報告された.それは染色体の数の異常によるものではなく質の異常に起因する転座型D.S.である.私達は今回若年婦人において前回D.S.児を分娩し(児は約3ヵ月後肺炎にて死亡)その後1年2ヵ月で再びD.S.児を分娩した症例を経験したので,臨床的ならびに細胞遺伝学的立場より若干の考察を加えて報告する.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1967-01-01
著者
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