子宮の末梢神経支配に関する組織学的研究
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概要
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子宮の神経支配を確める目的をもつて, ヒト及び家兎子宮を用いて子宮及びその傍組織の神経支配につき, Bielschowsky鍍銀染色法窪田変法により組織学的に検索し, 次の結果を得た. 1. ヒト子宮頚傍組織中に双極性及び多極性の神経細胞を有する神経節が存在する. 2. 子宮筋層内に植物線維及び知覚線維が存在し, その終末は植物神経は終網として, 知覚神経では遊離性の非分岐性終末として存在する. この神経線維及び終末は頚部に極めて多く, 体部に少い. 神経細胞は子宮筋層には認められなかつた. 3. 自律神経刺激の子宮筋細胞への伝達は(1)植物性終網と子宮筋細胞との直接接触, (2)植物性終網に沿つて存在する介在細胞を介しての子宮筋細胞との間接的接触の2つと考えられる. 4. 妊娠によつて神経線維, 神経末梢の増減は認められなかつた. 妊娠末期になると神経線維の迂曲走行の程度が弱くなる. かくして子宮頚及びその傍組織には豊富に神経線維, 末梢, 神経節が存在し, 神経体液学説に基づく武田の組織化学的検索と考え合わせると, 子宮頚部における神経因子を無視することはできないという結果を得た.
- 1966-12-01
著者
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