絨毛上皮腫及び破壊性胞状奇胎120例の臨床的研究 : 殊に両者の性格の相違について
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概要
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絨毛上皮の悪性病変として絨毛上皮腫と破壊性胞状奇胎があるが, 両者の間には共通の性格がみられ個々の症例に於て臨床的に鑑別困難な場合がしばしばある. 著者は両者の間の相違を明らかにする目的で自験した120の多数症例につき厳格な病理組織学的検索を行いこれら症例の示す腫瘍組織像と臨床的態度との関係を詳細に検討した. この結果, 組織学的裏付けをもつた絨毛上皮腫と破壊性胞状奇胎の間に発生年令, 経妊産回数, 先行妊娠の頻度, 潜伏期, 転移の頻度及び部位, 原発部位, 治療効果及び治癒率などの点に於てかなり明確な相違が認められた. 以上の成績に鑑み, 挙児を切望する破壊性胞状奇胎患者に対する新しい試みとして保存的子宮腫瘍剔出術の可能性を呈示し, 更に治癒の判定期限として治療開始後2年が妥当であることを主張した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1966-09-01
著者
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