Human Menopausal Gondotropin (HMG)による排卵誘発に関する臨床的研究
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概要
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更年期婦人尿から抽出されたHuman Menopausal Gonadotropin (HMG)を用い,これをヒト胎盤由来のHCGを組み合わせたHMG-HCG one tow cyclic therapyを無排卵患者70例に用い,総投与92周期中68周期(74%)に排卵をみ,うち16周期(15例)23%に妊娠の成立をみた.従来この種の療法は妊馬血清由来のPMSが用いられていたが,PMSが動物由来の異種蛋白であるため,反覆使用による排卵誘発の困難さがあり.充分な成果をあげることが出来なかつた.しかしHMGの登場によつてかかる欠点は克服され上記の如き画期的な臨床成績が得られた.特に従来殆ど排卵誘発を期待出来なかつた第II度無月経に対しても70%の排卵誘発成績をあげ得るに至つたことは注目すべきことである. しかしかかる強力な排卵誘発作用の反面,卵巣肥大を主とし時々腹水,胸水まで貯溜するという過剰刺激反応や多胎妊娠率の存在は最大の欠点であるとされている.著者はかかる副作用発現を出来る限り防止し,且つ最大の排卵誘発効果が得られるための方法論を確立するため,まず投与前,投与中の尿中各種ホルモンを測定し,これと外来臨床的に比較的容易にcheckし得る腟脂膏係数,頚管粘液量などとの関連性を分析して,これらの逐日的観察がHMGの効果や,HMGの過剰投与予防に有力な示標となり得ることを明らかにした.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-06-01
著者
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