ウシ視床下部のPIF分離の試みとin vivoにおけるその検定
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概要
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ラット及びウシ視床下部抽出物(以下ラットH.E,ウシH.Eと略す)のProlactin inhibiting factor(以下PIFと略す)活性をin vivoで検定し,更にウシH.EからPIFの分離を試みた. 1) ラットH.Eを授乳ラット腹腔内に1日1回連日10日間注射し,仔の体重の増減で乳汁分泌状態を観察した結果,視床下部中には,オス,メスの区別なくPIFが存在することを認めた. 2) ウシH.EのColumn Chromatography (Sephadex G-50)を行なつた結果,Fraction No.43〜50, Fraction No.51〜58の2分画にPIF活性を認めた. 3) 2)で活性を認めた2分画(Fraction No.43〜50, Fraction No.51〜58)をColumn rechromatography (Sephadex G-75)した結果,PIF活性はFraction No.18〜32の分画にあつた. 4) 2),3)の実験で,授乳ラット下垂体中Prolactin(以下PLと略す)量をハト〓嚢腺皮内最小刺激法で測定した.PIF活性のあつた群の授乳ラット下垂体中PL量は,対照群授乳ラットのそれよりも著しく減少していた. 5) H.E中のLuteinizing Hormone-Releasing Factor(以下LH-RFと略す)の活性はOvarian Ascorbic Acid Depletion法(以下OAAD法と略す)で測定した. 6) H.E中のSephadexによる分画中,PIF分画とLH-RF分画とは異なつていた. 以上の成績より,視床下部中にPIFの存在することが,in vivoでも証明され,この因子はLH-RFとは別の分画のものであろうと推定される.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1969-05-01
著者
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