^<60>Co遠隔照射時の子宮頸癌術後患者の副腎皮質機能に関する研究
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概要
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子宮頚癌治療における^<60>Co遠隔照射の臨床効果の優秀性は広く認められているが,大量照射によつて起る副作用にも大きな問題が含まれている.副腎皮質は放射線照射に対して極めて感受性の強い臓器であり,著者は^<60>Co遠隔照射が子宮頚癌術後患者の副腎皮質機能に及ぼす影響を観察した.副腎皮質機能検査法として17-OHCS, 17-KS, aldosterone, cortisol, estrogen, pregnanediol尿中排泄量およびACTH負荷後の17-OHCS 17-KSの増加率,増加量を測定し,次の如き結果をえた. (1) 17-OHCSは照射にしたがつて減少し,特にACTH負荷による反応は低下した. (2) 17-KSはやゝ減少の傾向も認められたが,著明でなく,又ACTH負荷による反応も一定の傾向が認められなかつた. (3) aldosteroneはあまり変動しなかつた. (4) estrogen, pregnanediolは非常に低値であり,一定の傾向は認められなかつた. したがつて,^<60>Co照射時の副腎皮質機能は17-OHCS特にACTH負荷による反応性低下よりその予備能の減少が認められた.
- 1969-02-01